天体写真撮影に使用している、使って便利なグッズや小物、各種電気機器をページにまとめました。 まだ掲載数が少ないですが、新しいグッズを発見しましたらその都度追加していこうと思っています。 何かの参考になれば幸いです。
USBシリアルコンバーター
自動導入機能の付いたタカハシ赤道儀やモータードライブFS2とパソコンを繋ぐためには、パソコンにRS-232C端子が必要です。 しかし、RS-232Cを標準搭載したノートパソコンは、今時なかなかありません。 そこでUSB端子からRS-232Cへと変換するシリアルコンバーターを介して、USB端子の付いたパソコンと赤道儀を繋ぐ必要があります。
しかし、USBシリアルコンバーターには機器との相性があるようで、最初に購入した製品では通信エラーのために パソコンから赤道儀を認識することができませんでした。何度つなぎ直しても上手くいかず、パソコンからの自動導入を諦めて しばらくは手動で天体を導入していました。
その後、ネットで幾つか探した後に購入したのが、右上写真の ラトックシステム社のUSBシリアルコンバーター「REX-USB60F」です。 ネットのレビューで高評価だったのと、MacOSXにも対応しているということで、少し高価でしたが購入に踏み切りました。 このUSBコンバーターの使用結果は良好で、パソコン上のアプリケーション(TheSkyやステラナビゲーター)から赤道儀を認識してくれて、 自動導入できるようになりました。Windows7上でも問題なく接続できています。 でもRS-232C接続はもう古いので、望遠鏡メーカーの方でUSBやLANケーブルによる接続に変えて欲しいですね。
マルチカーチャージャー
DC12Vからノートパソコン用電源に昇圧する電源アダプターです。 車のシガレット電源から、ノートPC用電源を取り出すのに便利なので購入したものです。 最近はディープサイクルバッテリーに繋いで、撮影中のパソコンに電源を供給するのに重宝しています。 AC100Vを発生させるインバーターを使用するのと比べて、効率がよいので助かっています。
似たような製品で「クルマ DE チャージャー」というのがありますが、こちらの方が少し安かったのでこちらを 選びました。中身はほとんど同じだと思います。 アマゾンのページを見てみると、2000円前後で売られているようです。
ところでこの製品を使うためには、付属するプラグがパソコンのソケットに適合しなければなりません。 プラグの種類は8種類用意されていて、プラグの寸法は以下の通りとなっています。
回転アセンブルバランスをとる方法
外径(mm) | 内径(mm) | 備考 |
6.0 | 1.0 | ソニーVAIOシリーズ、富士通 |
6.3 | 3.0 | |
5.5 | 2.5 | 台湾メーカーなど |
5.5 | 2.1 | |
5.5 | 1.7 | |
4.8 | 1.7 | |
4.0 | 1.7 | |
3.5 | 1.35 |
本機の入力電圧は、DC11〜14Vまで。出力電圧は、DC15/16/18/19/20/22/24Vを可変できるようになっています。 (15〜20Vまではmax4A、22Vと24Vは3Aまで)。 実際に使ってみると、設定した電圧よりも少し高く出力されるようです。 そのため、私のノートパソコンの定格電圧は19Vですが、18Vにして使用しています。 手ごろな価格の割に、なかなか便利な電圧変換器だと思います。
NJPバンドアダプター
NJP赤道儀のヘッド部分(鏡筒取り付け部分)は、真ん中が出っ張った構造をしています。そのため、自作のプレートなどを 取り付けるときには、この部分にドーナツプレートを挟み込んだりと工夫が必要です。 プレートに丸い穴を開けてもよいのですが、大きな穴って簡単には開けられません。
そこで協栄産業大阪店さんに図を持ち込んで、右のバンドアダプターを作ってもらいました。 このアダプターは、NJPのヘッドにパカッと被せてM10ネジで取り付けます。 固定用M10ネジは沈み込むので、アルミヘッド部分は真っ平らになる構造です。 私の使っているプレートには、タカハシEM200用の穴が開いているので、EM200互換のネジを切ってもらいました。
以前スターベースで同じ名前のアダプターが販売されていましたが、あちらはヘッド面積が狭いので、プレートがぐ らつきそうで少々不安でした。これはNJPのヘッド面積をそのまま生かせるので、見た目にも安定感が あります。ちなみにこのバンドアダプターのお値段は1万円でした。
Zippo製ハンディーウォーマー
このZIPPOハンディーウォーマーは、 昔懐かしい白金懐炉(ハクキンカイロ)のZippo版です。 ハクキンカイロとは、直接オイルを燃やすのではなく、気化したオイルがプラチナの触媒作用で 酸化発熱する化学カイロのことです。直接オイルを燃やすわけでないので、二酸化炭素も発生せず、 とてもクリーンなカイロです。
よく市販されている使い捨てカイロは、手軽さと安さが魅力ですが、寒い場所で使っていると 冷えて固まって発熱量が下がってしまいます。その点この白金カイロなら、発熱量も使い捨てカイロ の数倍はありそうです。また、一度オイルを入れれば24時間使えるのも魅力です。
使用にあたっては、使う前にオイルを入れる、プラチナをライターで数秒あぶる必要があるなど、少し手間が かかりますが、一度使うと手放せません。何度でも使えますし、それにちょっとオシャレな のが魅力です。私の一押し防寒グッズです。
赤色ヘッドライト
天体観測をするときには、手元を照らすライトが必要になります。その場合は手で持つハンドライトよりも、 頭に巻くヘッドライトの方が手が自由になって便利です。
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ただ市販されているヘッドライトのほとんどは、白色の高輝度LEDが使われています。 白色のLEDで照らすと、せっかく暗順応(暗闇に慣れた)した眼が元に戻ってしまい、また星が見えるまで時間がかかって しまいます。こうしたことを防ぐため、天体観測の世界ではなるべく赤色のライトを使うよう推奨しています。
市販のヘッドライトを赤色光に変えるには、赤色のフィルムを買ってきて被せるのが一番簡単な手法ですが、 これだとせっかくのヘッドライトの光量が少し損をしてしまいます。 そこで私は、ヘッドライトを分解して、白色LEDを赤色LEDに交換して使っています。
LED交換には半田付けの作業と、電子回路の簡単な知識が必要ですが、それさえわかればどなたにでも できる簡単な交換作業です。白色LEDと赤色LEDは電圧(順方向降下電圧)が違うので、電池を一本減らせるのも メリットです。赤色LEDに交換すると若干ですが省エネになります。
北極星指示盤
赤道儀を天の北極に正確に向けようと思うと、北極星がどちらの方向にどれだけずれているかを正確に 調べなければなりません。最近は日付と時間を合わせれば、導入位置を示してくれる極軸望遠鏡が増えましたが、 それでも中には時角計算が必要なモデルもあります。そうしたときに役立つのが 右の北極星指示盤です。
この指示盤はミザール製で、日付と時刻を合わせるとどの方向に北極星が来ているかが、周りの円盤上に 表示されます。コンパクトで便利なので、NJPやP2赤道儀を使うときにはいつも携行しています。 値段も300円程度と安い便利グッズです。
桐灰カイロ
夜間の天体観測ではレンズやミラーに付く夜露が大敵です。夜露はレンズを少し暖めると防ぐことができます。 そのため、低温下でも強い桐灰カイロが天体観測の夜露よけに長い間用いられてきました。
以前は薬局で手軽に購入できた桐灰カイロですが、最近はなかなか手に入りにくくなりました。 そこで購入して使っているのが、右のポケットハンドウォーマーと書かれた桐灰カイロです。 燃焼棒とカイロ本体が別売りされていますので、最初は二つとも買っておきましょう。 カイロ本体は何度でも使えますので、燃焼棒さえ買い足せばOKです。
なお、燃焼棒は一箱に12本入って500円程度でした。1本で7〜8時間保温効果が続きますので、 一晩で一本と考えればよいでしょう。燃焼棒に点火するのに少しコツがいりますが、電源が得づらい海外遠征時 などには便利な桐灰カイロです。
ディープサイクルバッテリー
ディープサイクルバッテリーは、元々釣りボート用のバッテリーとして開発されました。 現在では、電動カートや電動車椅子、その他電気装置などにも使用されています。 ディープサイクルとは、充電器で充電してから放電して、バッテリーが空になるまで使用することです。 こうした用途に適したバッテリーが、ディープサイクルバッテリーというわけです。
どのように芝刈り機レース
撮影用電源としては、デルコ製のボイジャーバッテリーがよく使用されています。 これは釣りボート用のバッテリーで、バッテリー容量は80Ah〜125Ahのものがラインナップされています。 私は105AhのボイジャーバッテリーM27MFを使用しています。この写真のバッテリーで3台目。 約5年ごとに買い換えています。ちなみにこのバッテリーは重さが25キロもあります。 大容量とハードな使用に耐えるのが魅力のディープサイクルバッテリーですが、この腰を悪くしそうな 重さがネックです。
冷却CCDカメラの撮影の際には、このボイジャーバッテリーと普通のホームセンターなどで売られている カーバッテリーを持参しています。 特に冬場は夜が長くて寒くなるので、ボイジャーからカメラ以外の電子機器、赤道儀やパソコンにも電気を 供給すると、すぐに電圧低下で機器が動かなくなってしまいます。 そのため2台を分けて使用しています。
ボイジャー製のディープサイクルバッテリーの充電用として、ボイジャー専用充電器が用意されています。 一般のバッテリーチャージャーでも充電可能ですが、満充電にならないようです。 この充電器が一万数千円程度と高いので、購入には少し躊躇してしまうかもしれません。 バッテリーの耐用年数と値段、それに廃棄の問題を考えると、インバーター型発電機の方が長い目で見ると安くなるかもしれません。
また、ボイジャーの他にも少し容量が少なくなりますが、シーキングのディープサイクルバッテリーも一部で 人気があります。こちらは重さが18キロほどと軽く、持ちやすくなっています。 最近体力も衰えてきたので、次回はこのシーキングのバッテリーを試してみようと考えています。
DC-DCコンバーター
機器によって必要な電圧が異なるので、ディープサイクルバッテリーから一度DC-DCコンバーターを介して電源供給 を行っています。DC-DCコンバーターには、スイッチングレギュレーターと呼ばれる スイッチング式のDCコンバーターチップを2台使った、秋月電子通商のキットを使っています。
※現在このキットは販売が終了し、新しいタイプのものが発売されているようです。 秋月電子通商のWebサイトで、可変スイッチング定電圧キットの名前で探してみると見つかると思います。
オートガイドリレーボックス
オートガイダーと赤道儀を接続するために自作したリレーボックスです。SBIG純正リレーボックスは、リレー回路に電磁リレーを 使っているようですが、私はフォトカプラーを使用して作成しました。ガイド信号をよりクィックに赤道儀に伝えたかったためです。 赤道儀への信号がどの方向に送られているのか分かるように、LED照明も取り付けました。
元々はビクセン赤道儀にSBIG製オートガイダーを取り付けるために作成したリレーボックスです。 現在の赤道儀には、基本的にリレーボックスは必要ありませんので今では使用しなくなりました。 オートガイドの修正信号は、6極6芯モジュラージャックの直結ケーブルで繋いでいます。 ※この機器の製作にはK.O氏の多大なるご協力がありました。ありがとうございます。
インバーター発電機
冬の寒い時期になると、バッテリーは電圧降下が激しくなります。105Ahの大容量を持つディープサイクルバッテリーも 例にもれず、夏場だと一晩使用できたものが5時間ほどで電圧低下に陥ってしまいます。 また、寒い冬の方が夜が長く、撮影時間が長くなるのもバッテリーには辛いところです。 デジタル機材の消費電力も増えている昨今、冬場を中心にインバーター型発電機を使用する機会が増えました。
ホンダ製とヤマハ製のインバーター発電機が写真撮影やキャンプによく使われています。 この理由としては、低騒音でコンパクトであることが大きな理由だと思われます。 どちらもインバーター整流回路を内蔵しているので、自宅のコンセントと同質の正弦波交流電流を 供給してくれます。これなら、パソコンや精密機械を駆動させるときにも安心です。
私が使用しているのはヤマハのEF900iSというモデルです。同じく写真撮影によく使われてい るホンダのEU9iと比べると、連続運転時間が長いのが大きなメリットです。冬の長い夜でも途中給油 の必要がなく、大変助かっています。ただ騒音については、ホンダEU9iの方が若干音が小さい気 がしています。スペック値ではヤマハEF900iSの方が騒音デシベル値が低いのですが、音質の違いに よるものかもしれません。
約900Wという大容量の交流電源を発生できるのがメリットの発電機ですが、やはり騒音や排ガスという点では 悩ましいものがあります。使用にあたっては周りの方々や状況に注意し、電力もできるだけ何人かでシェアするように努めて います。夏場にはバッテリーに切り替え、オイル交換などの発電機のメンテナンスも怠らないようにしています。
無停電電源装置 UPS
高性能のインバーター発電機といえども、メンテナンスを怠ると撮影中に急に止まってしまうことがあります。 バッテリーが入っているノートパソコンやデジタル一眼レフカメラならそれでもしばらくの間は撮影続行できますが、 冷却CCDカメラの場合には全機能が急停止してしまいます。 こうした突然の電源エラーは、カメラにも負担がかかると思われるので、カメラの電源直前には無停電電源装置UPSを入れています。
このUPSは、APC製の家庭用の安価なモデルです。これでも数分間は冷却CCDカメラを駆動できるので、シャットダウンに 要する時間を十分得ることができます。もちろんUPSが動かないのがベストですが、機器を守るために使っています。 この無停電電源装置は、護摩壇山天文同好会のT氏のアドバイスによるものです。
AC-DCコンバーター
赤道儀の駆動電圧は直流12V前後なので、交流100Vから直流電圧に変換しなければなりません。 そこで、アマチュア無線の電源用としてよく使われているアルインコ製AC-DCコンバーターを使用しています。
私の使っているモデルは、アルインコのDM-310MVというモデルで、AC100Vの入力電圧からDC1〜15Vを出力できます。 最大出力は10Aと余裕があり、出力端子もシガーライターソケットに、ネジ式ターミナル、プッシュ式ターミナルと多岐な 方法が選べるのでこのインバーターを選びました。アマチュア無線用としてよく使われているので、ノイズ面での信頼性も 高いのではないかと思っています。 このコンバーターを買うまでは、自宅での撮影でもバッテリーを使用していましたが、これの導入により家庭用電源を 使えるようになって便利になりました。
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