■カーオーディオ(大鬼門)
カーオーディオにつきましては、初めて取り上げる事になります。
カーオーディオは鬼門です。これはカーオーディオそのものが鬼門という意味ではなく、カーショップの言いなりになって莫大な金銭が奪われていくという意味で、大鬼門です。またしても、カーオーディオという世界にも、高額なものはガラクタしか存在していないからです。
カーオーディオについて明らかにするということは、現在起きている事態、高音質過ぎて問題があるという事態を非常に明瞭にしますので、カー
オーディオについて考えてみます。
カーオーディオは、純正のままで聞いているならともかく、ご自分でいじって、カーオーディオをさらなる高音質にするには、あまりに困難な世界であるとします。
カーオーディオはポテンシャルが非常に高いです。カーオーディオについての分析は、そのまま、高度なオーディオのセッティングの妙を、表現しています。 カーオーディオの特殊性は、1にも2にも、カーオーディオがバッテリー電源であるということに尽きます。バッテリー電源であること、すなわち、カーオーディオは電源がきれいですから、CDの読み取り精度も上がり、デジタル信号の転送効率も上がり、つまり音源も濃くなり、アンプも限界まで性能を引き出せます。
ただし、バッテリー電源ごとき、その程度のカーオーディオで、38センチウーファーを駆動しようなどということには無理があります。ここは誤
解されてはいけない部分ですが、カーオーディオ用のスピーカーくらいは、非常に小さいものですので、それを鳴らすに、バッテリーは最適であり、都合が良かったというだけです。
ところが、今までの経緯から、事情を分かってみえるかたは多いと思われますが、電源が良すぎて音も濃い・・、そうなるとホームオーディオでは、銅の単線を非常に長く引く、又はクロスオーバーを導入しなくてはならないなど、セッティングに特殊技術が必要になります。でないと音が濃すぎて、普通に聴くには、音がきつ過ぎるという、やっかいな事態に陥ります。
カーオーディオの場合、それにもかかわらず、なぜか、ごくごく普通の音が出ています。ここでは、その理由とカーオーディオの正体を明らかにしたいと思います。
仮に車の中に小型スピーカーを持ち込み、ワゴン車などの後部にスピーカーを置き、それを運転席に向けてみてください。とてもじゃないですが、ホームオーディオと全く同様カーオーディオも、音が「き・つ・す・ぎ・て」聞いておれないという現象が起きていることに、すぐ気づきます。
その場合はカーオーディオに付いているイコライザーで高域を落とすしか、手段はありません。
これは、カーオーディオは非常に特殊であり、やっかいなもの、それこそが、カーオーディオであるということを意味しています。
幸いにも車の中というのは、スピーカーがドアや車体内部に横向きに付けられおり、人に直射しません。さらにベニア板というような品質の悪い木に埋め込まれているケースが大半で、そのうえスピーカー同士が対面に向き合っており、車の中で音の往復運動を繰り返すはめになります。ベニア板は共振を起こし、余分な低域を出してくるばかりか、車内は定在波だらけになります。
しかし、そのことこそが、高域のきつすぎる、バッテリーである車、カーオーディオの本来のポテンシャルを相殺してくれていて、音を聞きやす
くしてくれているものの、正体です。
もしカーオーディオ用のバッテリーとアンプを家に持ち込んでホームオーディオ用のスピーカーに接続して自分に向けたとしたら、スピーカーケーブルにAE線を50mも引かないとうまくいかない、又は、100m引かないとうまくいかないなどと、このサイトでどこまでも果てしなく音が向上していっている現象と全く同じ現象が起きます。
これはカーオーディオの「電源」がバッテリーであり、優秀過ぎるからこそ起きていることであって、勿論、不具合などではありません。
音の焦点の距離にすると、当店のダウン&アイソレーションにかなり近いでしょう。バッテリーは、それにほとんど近い焦点になるでしょう。
■次にカーオーディオを基準にホームオーディオを考えてみます。
さて、この種の音を、「一般スピーカーで部屋で出すとしたら、カーオーディオとはどう違うか」、それがこのページのもう一つのテーマです。
これが現在このサイトで、果てしなく高音質化してきた段階で、起きてきたことです。
一般オーディオがカーオーディオと決定的に違う部分は、スピーカーが正面、リスナーのほうを向いています。ベニア板に埋め込まれて横を向いているカーオーディオが音の質を自然に下げてしまうことと、その部分が違います。したがってそれはカーオーディオの持っているような、音を聞きやすくする効果は持ちません。
一般オーディオでは、「き・つ・す・ぎ・る」音をマイルドに持ち込み適度な音にするには、銅の単線を、わざと、うんと長く引く、又は、クロスオーバーを使って、ツーウェイのスピーカーを使って、ドライバー側の音量を下げるなどの、「工夫」、「テクニック」が必要になります。
このことは「音の焦点・基本中の基本」で、すでに書いていますが、カーオーディオを理解するには、このことと、カーオーディオとの比較が必要です。
音をマイルドにするには、三種類の銅の単線が候補です。チャイムコード(0.8ミリ)、AE線(0.9ミリか1.2ミリ、電気工事業者で入手可能)、そしてVVFの1.6ミリです。この中で最も使いやすいのは、AE線と思われます。軽いこと、200m巻きが存在していること、そして、0.8ミリより0.1ミリから0.4ミリ太く、音の減衰が、少々ですが避けれることです。
カーオーディオは車の中でのことですから、AE線をカーオーディオに50m引くなどということは、狭い車内では現実的ではありませんし、横を向いて適度な音の出ているカーオーディオのスピーカーに対してそれをするのは、普通に出ているカーオーディオの音を壊すことになりますから、まったくの無意味です。
また、カーオーディオは、クロスオーバーが使いにくいです(カーオーディオ用のクロスオーバーは使いものにならないほどボロいという意味です)。また、カーオーディオは小型スピーカーが多いがゆえ、低音が出にくい分、ベニア板が共振して、その低音を補っているのですから、それが例え理想とかけ離れていたとしても、そのバカな方法さえカーオーディオに限っては、合理的であると言えます。
■カーオーディオの結論です。
カーオーディオは、純正のままが、一番使いやすいです。
改善そのものが、カーオーディオには、いくら金銭を投じても無理な相談であり、最初から一番聞きやすい音で鳴っているというのが本当のとこ
ろです。高いアンプにして改善されるどころか、ケーブルを変えて改善されるどころか、かえって音を悪化させるのが関の山です。あえてフラットな特性のチャイムコードあたりを、スピーカーケーブルの代わりに交換する程度で十分です。ラインケーブルが純正に入っているのであれば、それをフラットなケーブルに交換する程度で十分です。巨額な金銭は、決して投じてはなりません。9割9分のかたが、カーオーディオでは悲惨な失敗に終わります。
お客様の中で、カーオーディオのチューニングに成功されているかたもみえます。高音質になったかたもみえるようですが、それはせいぜい今ま
でに、ごくごく僅かの方だけであり、その他九部九厘のかたがたが、カーオーディオでは悲惨な目に会っているというのが本当のところです。
ことカーオーディオでは、セッティングはそれほど難しいものであると認識されてください。
カーオーディオショップなどに関わっていては、金銭が全部巻き上げられると認識してください!!
■ホームオーディオの問題点と縄目の抜けかた(解決方法)について
ホームオーディオ用のアンプなりスピーカーなりは、商用電源の100V電源に合わせて製造されています。ただの一つたりとも、それ以上の電源、又は、異常なほどに濃い「音源」、又は理想的な音響環境に合わせて製造されているオーディオ用の機材やスピーカーは、存在すらしていません。
このオーディオそのものが持つ根源こそが、実にやっかいな問題を生み出すことになります。
電源や音源や音響を改善すると、その先は、自力で解決していかなくてはならない世界に入り込んでいきます。その手法やセオリーは当店のサイトで確立はしています。音の焦点の意図的な変更なり、最も使いやすいのは、クロスオーバーなりです。他にはレベルが上がれば上がるほど、銀色にメッキされたプラグの電源ケーブルやタップなどが、全く用をなさないガラクタと化すことです。 特にロジウムメッキや銀入りハンダなどは最悪の結果をオーディオにもたらすのみの、大ガラクタです。
これらの手法は、私自身がかなり以前から自力でほとんど見つけ出していたことであり、それは当サイトでは、確立させてしまっている事ではあるものの、少々高度なことになります。
他のあらゆる趣味やスポーツと同様、練習と、慣れと、技術の向上が必要になります。
ぱっとつないで、生音が出るというものではありません。そのような、お金で買える、趣味やスポーツは、一つたりとも、無いのです。
が、だいたい合っているという状態を指摘することや、それに近いものをアドバイスすることは割と簡単です。そしてその結果は、高級オーディオごときのガラクタでは、足元にも及ばないほど、高音質になります。例えそれが、通常100Vでもです。
このように、音の根源、その事情が事情であるだけに、200万円のアンプを買ってうまくいくというものではありません。その種の高額商品は、音を濃密にするものでもなく、音質そのものを改善するものでもありません。理由無く高額なだけで、実態はボロいのです。
音質が高度なレベルまで上がっていっているのであれば、焦点はどんどん遠ざかっていき、それにつれて、セッティング技術をより多く要するというのが、オーディオでは本当のところであるからに他なりません。そのような話は高級オーディオでは一度たりとも、聞く話ではありません。それこそが、理由なくオーディオは高額であると断言している理由です。
(実際に自分で音を聴いてみて、想像以上にボロく、ひどいガラクタであったという理由もあります。一分も聴く必要もなくゴミと判断できてしまう程度のレベルに過ぎず、翌日すぐに委託販売に出したという経験が、数回以上あります。良いという者がいるのですから、非常に厳しい目で、数回の試行は、過去にしてきているのです。それらは非常に厳しい目で見れば、単なる「幼児のおもちゃ」です。私は代表的なハイエンドオーディオの音は知っているうえで書いています。)
■さて、ここでの最重要問題は、カーオーディオです。
カーオーディオを基準に考えますと、部屋でも簡易的に聞きやすい音にする方法は見えてきます。対面にスピーカーを置く、又は、壁に後ろ向きにスピーカーを置くなどのことで、高域を殺して聞きやすくするという方法です。それでも「音源」が濃ければ音は濃いでしょう。が、これがバカげていることは、誰でも分かると思います。ならば最初から高音質など求めなければいいからです。
ポテンシャルの高いものを、カーオーディオのように、わざと性能を落として聞き安くすることなど、部屋では、する必要はありません。それは、非常に「も・っ・た・い・な・い」ことです。
ホームオーディオでは、ツーウェイのスピーカーをわざと選ぶというのは非常に重要な事です。そして、クロスオーバー作戦を実行するには、部屋というものの音の環境を理解する必要があります。
広い部屋になればなるほど、おそらくクロスオーバー周波数は下がります。20畳を越えると1200ヘルツくらいなのでしょうか。
一般的な6畳、8畳、10畳の部屋では、1500ヘルツから1600ヘルツあたりがキーポイントです。
したがって、アルテックA7やA5のような、ホール用というのは、クロスオーバー周波数が800ヘルツ、500ヘルツと低いですから、クロスオーバー作戦が通用しません。1500ヘルツがポイントである「部屋」という環境で、A5の、500ヘルツ以上を、仮に、落していくとします。
すると、本来落としてはならない500ヘルツから1500ヘルツ間の音まで、大幅に落としてしまうことになります。そういうわけで、A7やA5の場合には、銅の単線の長さによる音のコントロールしか、「部屋においては」、完璧な音を出す手段はないということになります。
■再びカーオーディオの問題に戻ります。
カーオーディオの場合は、普通は、上記のテクニックが何も使えません。ほとんどのカーオーディオ用のスピーカーが、クロスオーバーなど使いにくいうえ、車の中、つまりカーオーディオの環境は狭いですから、クロスオーバーポイントすら定かではありません。カーオーディオでは、かなり高いところにあるでしょう。
クロスオーバーには、直流12ボルト用も存在しているそうですが、ほとんどが最悪の「おもちゃ」、デジタルクロスオーバーです。かといって車のバッテリーの直流12Vを、わざわざ100Vの交流にして再び機材の中で直流に戻してまで本格的なクロスオーバーをカーオーディオごときに導入するのは、無駄であり、音質的に、その部分で劣る結果を生むと思われます。ということは、カーオーディオでは、定在波を許容してしまって、対面配置のスピーカーで、純正のままで聞くことが、最も簡単であり、ベストの方法であると思われます。
カーオーディオは、少々の改善は可能なものの、抜本的な改善は不可能であると考えておいたほうが、カーオーディオに関わるに、無難です。
ただし、簡易的にやたらと良い音を出させることは可能です。ホームオーディオ用のスピーカーをワゴン車の後部に積み、「天井を向けて」置いておく方法がそれです。これは想像を超えて、カーオーディオに限っては、良い音質になります。